Beyond Outrage (2012) / アウトレイジ ビヨンド

『アウトレイジ ビヨンド』は、北野武監督による日本映画。2012年10月6日に日本公開された。第69回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門正式出品。R15+指定。

キャッチコピーは「全員悪人 完結。」「一番悪い奴は誰だ?」。

 ・ amazon : Beyond Outrage (2012) / アウトレイジ ビヨンド

Beyond Outrage (2012) / アウトレイジ ビヨンドのあらすじ

前作から5年。関東最大の暴力団・山王会は二代目会長となった加藤稔(三浦友和)と、若頭にまで成り上がった元・大友組の金庫番だった石原秀人(加瀬亮)による新体制の下、今や国政に影響力を及ぼすほどの勢力を政官界に拡大していた。マル暴・山本刑事(貴山侑哉)が山王会によって心中に見せかけて殺害され、山王会のさらなる勢力拡大を危惧した警察当局は、山本の前任者であり、暴力団と太いパイプを持つ悪徳マル暴・片岡刑事(小日向文世)を暴力団対策の最前線に復帰させた。片岡は、加藤・石原による新体制に不満を覚える山王会の古参幹部と、関西を拠点とする巨大暴力団・花菱会を利用する計画を立てる。山王会古参幹部の富田(中尾彬)と、花菱会若頭・西野一雄(西田敏行)が兄弟分であることから計画は成功するかに見えたが、実は山王会と花菱会は既に協力関係にあったため、花菱会からの密告によって、富田は山王会本部内で加藤と石原の命令を受けた船木昌志(田中哲司)に射殺される。黒幕である片岡も後がなくなり、彼らに恨みを持つ大友を利用することを思い立つ。

前作で、刑務所内で木村(中野英雄)に刺されて死んだとされていた大友は実は生きており、片岡は大友を利用すべく、刑務所を仮出所させる。だが、大友はもはやヤクザの世界の抗争に身を置くつもりはなく、旧知の在日韓国人で日韓フィクサー・張大成(チャン・テソン)会長(金田時男)の下で平穏な生活を送り始める。

片岡は、刑務所から出所後にバッティングセンターを経営し、カタギとなっていた木村を利用することにした。木村を大友と和解させた上で「本当の敵は山王会」だと伝え、復讐心を焚き付ける。木村は子分である嶋(桐谷健太)と小野(新井浩文)に対して大友を守るように命令する。片岡の計画への協力を渋る大友に対し、片岡は復讐を恐れる石原から大友が命を狙われる状況を作り出し、大友はビルのエレベーター内で襲撃されて重傷を負う。嶋と小野は大友を守りきれなかったことに責任を感じ、山王会に殴り込みをかけるものの、船木たちに捕らえられた挙句リンチされ、惨殺されてしまう。親しい人間を殺された大友は、ここに至って片岡の計画に乗ることを決める。

花菱会の幹部会にやってきた大友と木村に対し、若頭の西野、若頭補佐の中田勝久(塩見三省)らは優位に立とうとして、怒鳴り声を浴びせてわざと喧嘩を売る。対する大友も一歩も引かず、場は怒号が飛び交う一触即発の状態となるが、木村がケジメをつけるために自分の指を噛みちぎって場を収める。大友と木村の覚悟を確認した花菱会は、2人なら山王会を倒せると考え、非公式の助力を決める。

大友は先代会長・関内(北村総一朗/本作では写真のみの出演)の死の真相を知るために、関内殺しの事実を口止めする対価として加藤によって引き上げられ、組織内で出世を果たした山王会幹部・舟木(田中哲司)を拉致。彼を脅迫して加藤の「親殺し」(=会長の関内殺害)を自白させ、ICレコーダーに録音する。花菱会会長の布施(神山繁)は、加藤にこの証拠を突きつけ、石原が情報提供したことをほのめかしたため、加藤は疑心暗鬼に陥る。

パニックに陥った石原は、木村が未だに大友を恨んでいると考え、木村を抱き込んで大友を殺害しようとするが、逆に木村に部下達を殺害され捕まってしまう。ようやく石原と対面を果たした大友はピッチングマシンを使って石原を殺害し、復讐を果たす。

さらに舟木の証言音声が、山王会の幹部達にも送られたため、「親殺し」が知れ渡った加藤はもはや力を失い、最後は花菱会の立ち会いで山王会と木村組の手打ちが決まった。加藤は引退に追い込まれ、白山広(名高達男)が山王会三代目会長に、五味英二郎(光石研)が同じく三代目若頭に就任し、事実上山王会は花菱会の影響下に入った。

木村は自分の組に大友を誘うが、大友はヤクザの世界に戻るつもりはなかったため、すべての手柄を木村に譲った。花菱会も木村に対して、大友との関係を断つように命令したため、大友は張会長の下に戻り、韓国へと消える。数日後、大友は密かに日本に帰国すると、張会長の腹心である李(白竜)と協力してパチンコ店で待ち伏せし、一人寂しくパチンコを打つ日々を送る加藤をナイフで刺殺する。

一方、警察では山王会の代わりに花菱会が台頭しただけだとして、片岡の責任が追及され始めていた。片岡は花菱会と木村の不安定な関係を利用し、再度、大友を巻き込んで、花菱会の力を削ごうとする。片岡は、加藤の元部下(四方堂亘)をリーダーにした数名をけしかけて木村を殺害させる。さらに、片岡は「大友が木村を殺害した」という噂を流しつつ、大友には「花菱会が木村を殺した」と吹き込む。片岡は、木村の葬儀に現れた大友に、参列者の花菱会幹部らを襲撃するための拳銃を渡したが、全てを見抜いていた大友は片岡に向けて引金を引き、自らの手で葬り去ったのであった。

  • コメント: 0

関連記事

  1. Sonatine (1993) / ソナチネ

  2. ANIKI (2001) / BROTHER

  3. Boiling Point (1990) / 3-4×10月

  4. Violent Cop (1989) / その男、凶暴につき

  5. OUTRAGE CODA (2017) / アウトレイジ 最終章

  6. Outrage (2010) / アウトレイジ

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。